似ているけど、使い方はまったく違うベンチャーとアドベンチャー。
カタカナ英語として日本で使う場合、ベンチャー企業と冒険者(アドベンチャー)のように全然違う意味で使われているこの二語。
本来の英語での意味はどうなんだろう。気になってしまったので調べてみます。
まずベンチャーについて
たとえば「ベンチャー企業」よく聞くことばだが、いまさらながら意味を調べてみた。
起業、新規事業などと説明されていて、ようするに新しく事業を立ち上げる会社。
「ベンチャー」自体は、「投機的事業」「投資対象の新規開発事業」「リスクを伴う試み」などを意味する英語のベンチャー(venture)のこと。
普通の会社でも立ち上げるにはリスクは伴うはずだが、「ベンチャー企業」の場合は普通よりも大きなリスクを伴う。
こんな理解でいいんじゃないだろうか。
英語圏でのventureは先ほど説明した「投機的事業」「投資対象の新規開発事業」「リスクを伴う試み」など広い意味に使われるそうです。
英語では“Nothing ventured, nothing won(または、gained)”
この場合のventureは「冒険」ではなく「リスクを伴う試み」というニュアンスなんですね。
和製英語としてのベンチャーの由来
和製英語としてのベンチャーは1970年に元法政大学総長の清成忠男氏と元専修大学教授の中村秀一郎氏によって生み出されました。
当時のベンチャービジネスは「研究開発集約的、またはデザイン開発集約的な能力発揮型の創造的新規開業企業」という定義づけになっていて現在とはニュアンスが違います。
アドベンチャー
みなさんご存知のアドベンチャー adventure。
「venture」に接頭辞「ad」がついたもの。
ベンチャー(venture)とアドベンチャー(adventure)の違いをみてみましょう。
アドベンチャーはピンポイントで「冒険」という意味があり、知らない土地や世界を探検することなどを表します。
さらに「冒険家」はadventurer アドベンチャラーといいます。あまり日本では馴染みのない言葉ですね。これはビジネス界だと「投機家」という意味も表します。
ちなみに探検家はexplorerエクスプローラーという言い方をします。
和製英語としてのベンチャー(venture)はアドベンチャー(adventure)の接頭辞「ad」を取ったもので、ベンチャー企業の事を指すと考えていいでしょう。
リスクを覚悟して前にすすむ(企業する)というイメージです。
まだ誰も手をつけていない分野で起業することはまさに危険や失敗があって、まさしくそういう事に挑戦するのがベンチャー起業だと言えます。
冒険 | adventure |
---|---|
探検家 | explorer |
冒険家、投機家 | adventurer |
日本では
日本ではベンチャーと言えばビジネスの世界でしか使われませんよね。ちょっと硬いイメージ。
アドベンチャーはどうでしょう。
冒険に関連する映画などに使われる言葉、あるいはディズニーランドなどのアトラクションに使われる言葉でしょうか。
インディージョーンズはまさにアドベンチャー映画ですよね。
ディズニーランドなどのアトラクションも冒険ものは「アドベンチャー」のカテゴリーに入ります。
このほかには、
アドベンチャー競技
アウトドアのスポーツとしてのアドベンチャー競技。
カヌーでの川下り、ヨットでの海洋レース。
有名なのは「アドベンチャーレース」。
世界各国の山・川・海を舞台にした極限状態でのぞむ過酷なスポーツです。
男女混成のチーム競技で、地図をたよりにするナビゲーション、登山、ケイビングやクライミング、マウンテンバイクやラフティングなど大自然を相手したスキルが重要な競技です。
競技期間は数日間を要します。
アドベンチャーレースは日本でも行われていて「日本アドベンチャーレース協会(Adventure Racing Japan Series)」通称ARJSが有名です。
毎年日本各地で開催される競技で2019年は岐阜県、群馬県、山口県で開催されました。
アドベンチャーゲーム
コンピューター、またはスマホ・タブレットの冒険物ゲームはアドベンチャーゲームと呼ばれています。
ゲームジャンルとして大人気のジャンルで世界的に超有名なゲームも多数あります。
日本製ゲームも世界中で有名ですね。
まとめ
ベンチャーはビジネスの世界でしか使われない言葉。
リスクを承知で新しい試みをするビジネスをする会社というイメージ。
アドベンチャーは映画、ゲームの世界でお茶の間に浸透している言葉というイメージ。
似ている言葉ですが意味も違うし使われる場所も違いますね。
(あくまで和製英語としての考察です)
以上「ベンチャーとアドベンチャーの違いって?」という記事でした。
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