未経験者がプログラミングのスキルを身に付けIT系の会社で働きたいのなら、考えられる最短コースはプログラミングスクールへ通うことです。
しかし、
プログラミングスクールは受講するのに結構な額のお金が必要になります。
なるべくならお金をかけずにスキルを身に付けたいと思いますよね。
そう考えて無料スクールを検討しているあなた。
無料スクールの悪い噂が気になっているんじゃありませんか!
ブラック企業に入れられてしまうんじゃないかと心配しているのでは?
たしかに噂どおりのタチの悪いスクールもあります。
しかし全部が全部、悪いスクールではないのですよ。
結論を言ってしまうと、
無料プログラミングスクールに入ってスキルを身に付け就職するという選択肢はあり。
その理由は、
自分の目指す道が明確になっている人ならステップアップのひとつとして利用出来るから。
しかし、ただ単に無料だからという理由で安易に飛び込むと噂どおりにブラック企業に売られてしまうかもしれません。
そうならないように無料プログラミングスクールの仕組みを理解して賢く利用する方法を解説します。
最後までよろしくどうぞ。
無料プログラミングスクールの仕組みを解説
無料のプログラミングスクールの仕組みを説明するのに必要な構成要素は三つ。
無料プログラミングスクールはこの三つが揃わないと成り立たないのです。
無料プログラミングスクールは転職エージェント(人材紹介会社)である
無料プログラミングスクールの経営はプログラミングスキルのある人材を企業へ紹介してお金をもらう事で成り立っています。
つまり転職エージェント(人材紹介会社)と同じビジネスモデルです。
転職エージェントでは登録したユーザーを人材を求めている企業に紹介します。
紹介された企業はその人材の年俸の何%かを転職エージェントに支払います。(10%〜20%程度といわれている)
企業を紹介してもらうユーザーは転職エージェントで自分にあった企業を探してもらう話し合いをしたり面接の練習をしたりしますが費用は一切かかりません。
無料プログラミングスクールも仕組みは同じで未経験者にただでプログラミングのスキルを身に付けさけ、その人材を企業に紹介してお金をもらう。
受講生(ユーザー)は一切お金がかかりません。
無料プログラミングスクールの受講条件
一般の転職エージェントは登録したユーザーが紹介した企業に就職しなくてもなんら問題はありません。
しかし無料プログラミングスクールの受講者はスクールが指定する企業へ就職しないといけない決まりになっていて、そうしない場合は受講料を払う必要が出てくるところもあります。
つまり無料プログラミングスクールの受講条件は
- スクールが紹介する企業に就職すること、またはスクールが提携している企業に就職すること
- 年齢制限
となっていて、スクール側としては人材を紹介出来ないと企業からお金がもらえずビジネスとして成り立たないのです。
さらに企業から人材の年齢について指定があれば、その年代の人しか受け付ける事は出来ません。
20代限定が多く、上限は35歳くらいになっていますね。
無料プログラミングスクールの実態
タダほど高いものはないと言いますが無料プログラミングスクールの実態は結構厳しいものがありますよ。
紹介する企業へ就職しなかったら受講料を払う
無料のプログラミングスクールは紹介される企業への就職を辞退すると違約金がかかるって聞きました。
一番気をつけなくてはいけない点はこれです。
「無料プログラミングスクールの仕組み」のところで説明したように無料プログラミングスクールを受講後はスクールの紹介する企業へ就職する契約になっています。
(受講する条件としてそのような契約を結ぶようになっています)
紹介される主な会社
・紹介されるその企業自体が無料プログラミングスクールの運営元。
・無料プログラミングスクールと提携している企業
紹介される就職先はかなり多い場合もあり、その中から選択するという形になります。
しかしあくまでも与えられた選択肢の中でしか選ぶ事は出来ません。
紹介された企業へ就職しないという選択をした場合は違約金として正規の受講料を払う場合が多いのが実態です。
これって法律的に問題はないの?
無料スクールを受講している期間って研修と同じなのでは?
ある企業への就職先が決まっているなら、プログラミングスクール で受講している期間はその企業の研修を受けているのと同じと言えますよね。
普通なら研修社員として給料が発生することになります。
企業から支払われたお金は受講者へは一切渡らず、全部スクール側へ入るわけです。
スクールからすると受講後に指定する企業へ就職してくれないとそのお金が入ってこないので、「受講料金をいただきます」となるのですが・・・
なんか受講者が損してるよう気がしますが・・・
紹介される就職のほとんどはSES契約
SESとは「システムエンジニアリングサービス」の略。
(エンジニアとしての人材を供給するということ)
受講後はシステムエンジニアリングサービスをやっている企業に紹介される事がほとんどです。
SES契約で入った企業から派遣されて別の企業で仕事をする、客先常駐という形態になります。
これ自体はなんの問題はありません。
労働条件の悪い下請けの企業へ派遣されてしまうかもしれないという事が問題なんです。
そこがブラック企業である可能性は少なくはありません。
巷で噂されるデメリット
「無料プログラミングスクールに絶対行ってはいけない3つの理由」
これと似たようなタイトルの記事って結構目にしませんか?
無料プログラミングスクールをディスる記事が多いのは確かです。
口コミでは評判が悪い
ツイッターやブログなど口コミで悪い評判が目につきます。
スキルが身につかない企業に紹介される
「たいして能力もなく、やる気もない人でも転職紹介できる企業に無理やり転職させる」といった口コミも多いです。
誰でもできるような簡単なルーティン作業をやらされ、さらには給料も安い。
年齢制限で受けられない
年齢のため最初から相手にされなかった。
無料プログラミングスクールでは必ず年齢制限があります。
仕組みを考えればその理由がわかります。
スクール側からすると受講後に企業に紹介出来る人材が欲しい。
そのためには企業の求める年齢層の人材を受講させなければなりません。
20代限定のスクールも多く、35歳程度が上限でしょう。
丁寧な教え方ではない
無料プログラミングスクールの中にはオンラインのみの対応しかしていないところもあります。
与えられたカリキュラムをひたすら自分でやってわからないところはオンラインのチャットで講師にアドバイスを受ける。こんなイメージです。
有料のスクールのようにマンツーマンで教えてくれるような丁寧な教え方とは違いますね。
モモチベーションの低さ
有料スクールと無料スクールの決定的な違いはモチベーションの低さだと思います。
自分の目指す道がわかってない人が無料だからと安易に入ってくる、これはやはり多いです。
その結果、無料プログラミングスクール出身の人のやる気は低い、という評判になってしまいますね。
無料スクールから紹介される人材に企業は高いスキルやモチベーションを期待していない
無料スクールの現場で聞かれる声はやる気のなさ。「無料なのでとりあえず受けてみよう」こういう人が多いのは事実。
企業もそれは最初からわかっている上で無料スクールと提携しています。
という事は紹介される仕事もちょっとだけプログラミンを勉強したなら人誰でも出来るような仕事という事になります。
そこに集まるのは努力してステップアップを目指す気のない人たち。
無料スクールの大半の人はここに分類されると思います。
タダほど高いものはないといいますが、結局そういう事になってしまいますね。
●モチベーションが高い。
●高いお金を払って来ている人たちなので真剣である。
●いい競争相手が見つかる。
●怠けていたらおいていかれるといういい意味での恐怖心が生まれる。
やはりブラック企業へ入れられる確率は高い
無料プログラミングスクールから紹介される企業はSESをやっている企業が多いという話をしました。
無料プログラミングスクールの親会社がSESをやっている企業であることも多いのです。
逆に言うとこういう企業はSESで客先に派遣する人材を確保するために無料プログラミングスクールを運営しているのが実態です。
残念ながらエンジニア業界でブラック企業が多いのは圧倒的にSESをやっている企業です。
ブラック企業はとにかく人手が足りません。
その人手不足を解決する手段として無料プログラミングスクールという仕組みを作ったといわれる事もあるのです。
こういった背景から「無料プログラミングスクールで就職出来るのはブラック企業だ」こんな言い方をされてしまうのだと思います。
未経験者が下積期間として無料スクールから始めるのはあり
ここまでさんざん無料スクールの闇の部分を紹介してきましたが、
・プログラマー(エンジニア)という仕事を選んだら一生勉強をしなければいけない。
・プログラマー(エンジニア)は転職を重ねて、自分のやりたい仕事が出来るようになる。
この二点を認識している人なら無料スクールから始めるのはありだと思うのです。
未経験の人がスクールで何ヶ月か勉強をしただけで、いきなり有名なIT大手企業に就職出来るわけがありません。
下積みの経験をして仕事をしながらも勉強を続け、さらには転職を続けてやっと有名企業に入れたりフリーランスとして成功したり出来ます。
まったくの素人が無料スクールで基礎的的な事を何ヶ月が学び、ちょっとだけプログラミングを勉強したひとなら誰でも出来るような仕事についたとします。
そこで毎日ルーティンワークをこなしつつさらに自分で勉強します。
スクールで基礎的な事が身に付いていれば独学でも十分にスキルをあげていく事は出来るのです。
そうして仕事をしながら勉強をしつつ、転職エージェントに登録します。
エンジニアとしての実務経験があり、独学で得たスキルがあれば、誰でも出来るような仕事ではないステップアップしたプログラミングの仕事に転職することは十分可能です。
スクールで紹介された企業がブラック企業だとしても、自分の目指す道が明確になっていれば、そこは単なる下積み時代です。
プログラミングの基礎的なスキルと現場での実務経験を得るために無料プログラミングスクールとブラック企業を利用してやると思えばいいんです。
おすすめの無料プログラミングスクール
ブラック企業に送り込むのが目的ではない、まっとうな無料プログラミングスクールはあります。おすすめは、
GEEK JOB
おすすめの理由は
- 派遣、バイトなどではなく、正社員として紹介される
- 紹介される企業は約500社。その中から選択する
選択肢が多いので紹介される企業をしっかりとリサーチしてブラック企業を避ける事が出来ると思います。
GEEK JOBでは、授業料が無料である代わりに、あなたはGEEK JOBが主導権をにぎって決めた提携先の企業に就職しなければなりません。
ただし、GEEK JOBが提携している約500社の中からなら、選択する自由があります。
応募条件
・高校卒業から29歳までの方
・一都三県(主に東京)で就職を考えている方
最短1ヶ月コースがありますが、どうせなら3ヶ月コースでしっかりとスキルを身に付けた方が後々楽だと思います。
まとめ
僕は無料プログラミングスクールを選択肢の一つにしていいと思っています。理由は
自分の目指す道が明確になっている人ならステップアップのひとつとして利用出来るから
これから知らない世界で働いていくのは不安だというのはわかります。
だったら出来るだけリサーチしましょう。
選択肢をはっきりさせて、こっちがだめだったらこっちという風に進む道筋を明確にしておきましょう。
それが出来ないなら無料スクールは向いていないと思います。
サポート体制が万全な有料スクールに高い授業料を払っていきましょう。
「あなたはこういうのが向いているのでこういう勉強をしましょう。就職先はここはどうですか?」みたいにおまかせでもなんとか仕事が出来るようにはなります。
自分の目指す道が明確になっていない人が無料スクールに入るとどうなるか。
無料スクールと企業のビジネスシステムのコマになってブラック企業で働くハメになり、そこから抜け出すのも困難になるでしょう。
無料スクールと企業はビジネスパートナー、あるいは実態は企業がスクールを経営していることもあります。
悪いいい方をすると安く使える人材を供給するシステムとも言えるのです。
自分の目指す道が明確になっている人は、
無料プログラミングスクールを受講後、ブラック企業へ入ったとしても、ただでプログラミングの基礎を身に付け、実務経験をする場、そこはステップアップをするための下積み時代と割り切る事が出来るでしょう。
結局はプログラミングスクールを有料にするか無料にするかではなく本人のビジョンが一番重要だと思うのです。
最後までありがとうございました。
以上「無料プログラミングスクールの実態を理解して賢く利用する方法を解説」という記事でした。
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