プログラミングスクールの事を検索していると出てくる「無料プログラミングスクール」。
ただでプログラミングスキルを教えてくれて、就職先まで紹介してくれる。
お金がなく高額な有料プログラミングスクールを利用出来ない人にはとても魅力的ですよね。
しかしちょっと調べた人ならわかると思いますが結構評判が悪いです。
実態はブラック企業の人手不足対策だという噂、紹介された企業を拒否すると違約金として受講代金を要求されるという事実、
かなり心配になる情報が飛び交っています。
それじゃ無料プログラミングスクールは行かない方がいいのか?
結論は
ちゃんと仕組みを理解して利用すればいいシステムなので未経験者の下積みと思って割り切れる人なら行った方がいい。
理由は
●ボランティアでやっているわけではないので無料なのには理由がある。
●エンジニア未経験者を紹介出来る職場は限られている。
この二つを理解出来れば無料プログラミングスクールは悪いところじゃないのがわかるからです。
詳しい事は本文で解説していきます。5分程度で読める記事なので最後までおつきあいください。
無料プログラミングスクールの実態、仕組みをよく理解しよう
無料プログラミングスクールはプログラミングスキルを学ぶだけが目的の人は利用できない
●フリーランスになりたい人
●自分のアプリやWebサイトを作って運用していきたい人
企業に就職するのではなく、フリーランスとして仕事を獲得していきたいと思っている人やオリジナルのアプリやWebサイトを使って起業したいと考えている人。
こういう人たちは無料プログラミングスクールを利用させてもらえません。
無料プログラミングスクールは何ヶ月かの受講期間を終えたらすぐに就職して働きたいという人が対象だからです。
自分のやりたい事のために必要なプログラミングスキルをタダで教えてくれるところではないんです。
実態は転職エージェント
転職エージェントというものを知っていますか?
仕事探しのサポートを無料でやってくれるところです。
転職エージェントに登録すると専任のアドバイザーがついて、あなたの希望に合う就職先を紹介してくれます。
もちろんボランティアでやっているわけではなく、転職エージェントは紹介先の企業から紹介料をもらっています。これによってビジネスとして成立しているのです。
無料プログミングスクールも自分のところでプログラミングスキルを身につけた受講生を企業に紹介してお金をもらっています。
受講するときに色々丁寧に説明を受けるとは思いますが、実態は
あなたには私どもが紹介するこの会社へ入ってもらいます。
その会社へ入るためのプログラミングスキルは無料で教えます。
という事です。
スクールの入ったからには絶対に紹介する企業へ入らなくてはならない。
人手不足の企業が求める人材、つまりプログラミングの基礎的なスキルが身についている人。
これを供給するために無料でプログラミングスキルを身に付けさせた人材を企業に紹介してお金を得ている。
これが無料プログラミングスクールの実態です。
違約金が発生する場合がある
無料プログラミングスクールは基本違約金があると思っていいでしょう。
カリキュラムを受講したあとで紹介する会社を拒否するなら違約金として受講代金をいただきます。
各スクールによって表現が違うでしょうが実質的な内容は上のようなことです。
スクールからすれば企業へ紹介するために育ててきたのにその直前でやめられてしまったらビジネスとして成り立たないのですよ。
スクールの紹介する企業を拒否するには違約金を払わなくてはいけない。
これが無料プログラミングスクールの実態です。
年齢制限がある
無料プログラミングスクールの受講条件には年齢制限があります。
20代限定のところが多いです。
なかには30代でも利用出来るところもありますが上限35才程度だと思います。
これはもちろん紹介先の企業が求める人材に年齢制限があるからですね。
30代以上の未経験者をお金を払って紹介してもらおうという企業はないということです。
無料プログラミングスクールで紹介される就職先はSESがほとんど
無料プログラミングスクールで紹介される就職先はSES(客先常駐)の仕事がほとんどです。
SESとは
SESとは(システムエンジニアリングサービス)の略。
クライアントにエンジニアを派遣するサービスです。
自分のところではエンジニアが足りない企業がSES業者からエンジニアを調達する。
こういうイメージです。
SES業そのものはエンジニアがいれば始められるビジネスです。そのため業界で経験を積んだエンジニアが自身で起業するのにもってこいのビジネスモデルなのです。
数名規模から何千名規模の会社まで数多くの会社がSES事業を行っています。
なぜSESを紹介されるのか
圧倒的にSES事業を行っている会社の数が多い。そのため紹介しやすい。
基礎的なスキルしか持たない未経験者を多く受け入れるのはSES事業の企業だから。
大手のSES業務を行っている会社が自身への人材供給のために無料プログラミングスクールを運営している場合もあるのですよ。この場合は当然運営元の企業または関連する企業への紹介となります。
ブラック企業、派遣との関係性
SES自体はまったく悪くない
SESという働き方(客先常駐)自体はまったく悪くはありません。
ネットではSESに対してネガティブな記事が多いですが、次のような記事も参考にしてください。
下請けの下請けにまわされて、そこがブラック環境だったときがやばい
ブラックなSES業者が存在するのは事実。
ブラックなSES業者には高い技術力を持ったエンジニアは集まらない。
技術力のないブラックSES業者が受注出来る仕事は、ヘルプデスクのようなもの(電話サポート)や単調なサーバー監視業務、その他雑務などの場合があります。
エンジニアにとってなんらスキルの向上に貢献しない仕事ではやりがいがあるとは到底言えません。
無料プログラミングスクールで1ヶ月のカリキュラムを終了したらすぐに仕事を紹介するといっているところがあります。
こういったほんとの未経験者を受け入れるのはブラック企業である可能性は高いと言えます。
SES業者を紹介されるのは無料スクールだからではない
有料のプログラミングスクールでも就職とセットになっているところはたくさんありますよね。
カリキュラム終了後に紹介される企業はどんな企業でしょう。
なんだかんだいっても、結局多いのはSES業者になります。
自社開発の企業への紹介は少ないです。
自分の市場価値を考えよう
雇う側の立場になってエンジニアとしての自分の市場価値を考えてみましょう。
2、3ヶ月、プログラミングスクールで基礎的なスキルを身に付けwebサイトやアプリを初めて作りましたというエンジニアの価値です。
あなたに任せられる仕事はどんな仕事でしょう。
スクールで基礎的なスキルを習っただけの実務経験のないエンジニアの卵の市場価値は?
客先常駐ではない自社開発の企業への就職はやはり人気があります。
服装も自由なのが普通です。
(客先常駐は基本スーツ着用)
人気のある職場なら当然、就職の競争率も高く成りますよね。
経験があって技術力も高い人材が集まります。
こうした企業がプログラミングスクールを出たてで実務経験のないあなたを採用しようと思うでしょうか。
企業からするとスクール卒業生は新人研修を終えた状態の人と同等か?
プログラミンのスキルだけでいえばIT企業の新人研修を終えた状態と言えます。
しかし実務経験のない社会人としての仕事スキルはありません。
スクールはそういう仕事スキルを身につけるところではないからしょうがありません。
エンジニアの卵としてのあなたの市場価値は残念ながらかなり低いものだと認識しましょう。
有料スクールだって未経験者に紹介出来る仕事はそう変わらない
有料スクールだってボーっとしてお任せ状態にしたら
ブラック企業を紹介されることだって十分あり得ます。
とろあえずどこかの企業へ紹介してしまえば紹介料が入るわけですから。
この点は無料スクール、有料スクール、あまり変わりはないと思います。
ほかの無料サービスと比べると
無料プログラミングスクールを他の無料サービスと比べてみましょう。
転職エージェント
エンジニア専門の転職エージェントに登録したとします。
ユーザー専任のアドバイザーがつき希望条件にあった企業を探してくれます。
書類の書き方や面接の仕方などのレクチャーがあります。
これらは全部無料で利用できます。
無料プログラミングスクールと一般の転職エージェントとの違い
一般の転職エージェントでは紹介された企業に入らなくても問題はありません。
無料プログラミングスクールでは紹介された企業に入らなかったら違約金を払うのが特徴ですね。
そもそもシステムが違う
仮にエンジニア専門の転職エージェントに経験もプログラミングスキルもないあなたが登録するとします。
面談の段階で「あなたに紹介出来る企業はありません」と断られるでしょう。
無料プログラミングスクールでは経験もスキルもないあなたを受け入れます。
そして「タダでプログラミングスキルを教えますからこちらで用意した企業の中のどこかへ必ず就職してくださいね」となります。
無料プログラミングスクールでも目標をしっかり持っていれば大丈夫
ここまで無料プログラミングスクールの仕組みと実態を説明してきました。しっかりと理解されたでしょうか。
単に無料だからと安易な気持ちで飛び込んでしまうとブラック企業への最短コースに乗ってしまう事もあり得るという事なんです。
しかしあなたがしっかりと目標を持って取り組むのなら無料プログラミングスクールはありです。
エンジニアとしてやりたい仕事が出来るようになるための下積みとして、無料プログラミングスクール→SES業者(客先常駐)のコースを選択する。これはいいと思います。
そしてどうせならブラック企業へ送られないような無料プログラミングスクールを選びましょう。
無料プログラミングスクールを選択する場合の最重要チェックポイントは紹介される企業
カリキュラムの内容は正直、どこのスクールでも同じようなものです。
どのプログラミング言語を選ぶか、なんていうのも大きな意味はありません。
どうせ現場にいったら新しい言語を学ぶ事になるんですから。
一つ言えるのは一つの言語をある程度のレベルまではマスターするという事。
一つの言語がマスター出来ていれば他の言語もすんなり入ってくるからです。(基本的構造はそう変わらない)
最重要チェックポイントは紹介される企業です。
いくつかの企業を紹介されるはずなのでブラック企業ではないか、徹底的にリサーチしましょう。
ネットでの口コミのほか、社長のSNSは要チェックですし、企業のFacebook、ツイッターなどもチェックしてください。
一度オフィスを訪問するのもいいと思います。
どうせSES業者を紹介されるならホワイトなSES業者を見つけましょう。
ホワイトなSES事業を行う会社の見分け方
- 中途経験者のエンジニアも採用している企業
- エンジニアの技術力が会社の価値だと感じている企業
- 40代以上の技術力が高いITエンジニアが所属している企業
おすすめ出来る無料プログラミングスクールを紹介します
GEEK JOB
おすすめの理由は
- 派遣、バイトなどではなく、正社員として紹介される
- 紹介される企業は約500社。選択肢が非常に多い
紹介した企業に就職しなければいけない事を次のようにハッキリと伝えている。
GEEK JOBでは、授業料が無料である代わりに、あなたはGEEK JOBが主導権をにぎって決めた提携先の企業に就職しなければなりません。
ただし、GEEK JOBが提携している約500社の中からなら、選択する自由があります。
違約金についても公式サイトでハッキリと伝えています。
応募条件
・高校卒業から29歳までの方
・一都三県(主に東京)で就職を考えている方
最短1ヶ月コースがありますが、どうせなら3ヶ月コースでしっかりとスキルを身に付けた方が後々楽だと思います。
まとめ
無料だからといって安易に集まってくる人々をビジネスの捨て駒のように扱う輩が存在する事は事実です。
しかし、しっかりと目標を定めた人間がステップアップの道具として有効に使える事も出来るのが無料プログラミングスクールなのだと思います。
最初から働きやすい職場じゃないとやだな〜とは誰もが思っているでしょう。
しかし誰にでも下積み時代はあります。
半年後、一年後を期待してまずは業界に飛び込んでみる。
無料プログラミングスクールならお金がなくてもこの最初の一歩が踏み出せるでしょう。
最後まで有難うございました。
以上「プログラミングスクール、無料でも目標をしっかり持っていれば大丈夫」という記事でした。
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